車内を快適にするAB級/D級オーディオ・パワー・アンプ
STは、カー・エンタテインメント(ICE)向けICの世界有数のサプライヤです。インフォテインメント・ヘッド・ユニットまたはテレマティクス・システムに対応した製品を提供しています。
STの製品を採用したシステムはSTの独自技術を利用することで高いシステム・インテグレーション、あらゆるマルチメディア機器のサポートと、圧倒的なオーディオ性能を実現可能となります。また、車両接近通報装置(AVAS)をはじめとした警告系ソリューションの実現が可能です。
- 用途: 車載アプリケーション向けに開発・生産されている製品ですが、民生品にも使用可能です。
- 堅牢性: 使用環境が厳しい車載アプリケーションにおいて高品質を保っています。民生用オーディオ・アンプに比べ、堅牢性が非常に高い製品です。
- 長期供給性: 製品ライフが非常に長い車載アプリケーションをサポートする製品で、長期供給に対応しているため、安心してご利用いただけます。
TDA7803Aデジタル入力AB級(SBi級)アンプ
車載インフォテインメント(IVI)システムに
TDA7803Aは自己診断機能内蔵、アイドリング・ストップ対応高効率デジタル信号入力車載用4チャネル・パワーアンプです。
高音質・低BOMコスト・高堅牢性・高効率なソリューションを提供します。
DSPデジタル信号を直接入力可能
高周波ノイズの影響を受けないクリーンなサウンドを提供するデジタル入力に対応しているため、信号変換を一切通さずにアンプをDSP出力に直結可能です。
高効率SBi級モード対応、最小BOM点数 5個を実現
革新的なST独自のSBi級モードにより、従来のAB級のデメリットである効率を改善し、またエミッションの 低減に貢献します。 最小外付け部品5点と圧倒的な部品点数と実装面積削減が可能です。
業界トップの不良率、高堅牢性を実現
車載業界トップの低不良率を実現しています。 各種保護機能に加え、起動時・Play時における自己診断機能搭載を搭載し、高堅牢性を提供します。
仕様概要

- 動作電圧: 6V~18.5V
- 入力I/F: I2S / TDM
- デバイス制御: I2C
- 動作モード: SBi級 (AB級の独自高効率モード)
- 対応可能チャンネル構成: 4ch/3ch/2ch
- 保護機能: 短絡/温度/電圧/クリップ/自己診断(起動時/Play時)
- 参考出力値: 4x22W@14.4V, 4Ω, THD 1%
- パッケージ: PowerSO36 Slug up, Flexiwatt27
SBi級による高効率化を実現
TDA7803Aは、ST独自の高効率モードであるSBi級を採用しています。下のグラフはピンクノイズ信号入力時の効率です。従来型のAB級と比較して実際の音楽信号再生にて効率が改善され、消費電力を最大50%低減可能です。このため、現在の電源設計のまま温度管理を簡略化できます。

SBi級の特長
- 4CH中任意の2CH以上を動作させれば高効率動作条件が成立
- 4CHの信号は完全に別ソースでも高効率を実現
- 従来型のAB級と比較して消費電力を最大50%低減
小型・軽量化、BOMコストの削減に有利
下記の図はTDA7803Aのアプリケーション回路です。“最小部品5個”と圧倒的に部品点数と実装面積削減が可能です。また、デジタル信号入力タイプのため、入力コンデンサを削除できます。これにより、基板の小型化・BOMコスト削減に最適です。さらに、基本的にGSMノイズ対策は不要です。

基板に占めるAMP機能を最小にすることばかりでなく、半田接点も少なくできることから中長期的な信頼性の向上に大きく寄与することが可能です。以下の実装例では、アンプ回路実装面積は約3cm2とほぼデバイスサイズで実現しています。

【TDA7803A実装例】
TDA7803Aアプリケーション例
アプリケーション例
- ヘッドユニット
- 外部ブースターアンプ
- マルチ・チャネル外部アンプ
デジタル入力AB級(SBi級)製品ファミリ
FDA903デジタル入力D級アンプ
AVAS/EVサウンド/クラスタシステムに最適
FDA903は自己診断機能内蔵、高効率デジタル信号入力車載用1チャネル・フルデジタル・パワー・アンプで、緊急時システム電源を含めた低電源電圧・Start & Stopに対応します。また、小型パッケージで省スペース化に貢献します。
幅広い電源電圧・Start & Stop、緊急時システム電源にも対応
車両接近通報装置(AVAS)、疑似エンジン音、E-call、コックピット警告音などのアプリケーションに最適です。3.3V~18Vと幅広い電源電圧をサポートし、車両事故等緊急時においても駆動し続けるシステム電源電圧にも対応可能です。
音質向上・システムコスト低減
出力段ローパス・フィルタの後段からフィードバックアンプへのフィードバック・ループにより、システムコストの低減と音質向上を実現します。
業界トップの不良率、高堅牢性を実現
リアルタイム電流モニタリング機能にてスピーカー駆動の制御・最適化が可能です。各種保護機能に加え、起動時・Play時における自己診断機能搭載を搭載し、高堅牢性を提供します。
仕様概要

- 動作電圧: 3.3V~18V
- 入力I/F: I2S / TDM
- デバイス制御 : I2C
- 動作モード: D級
- 対応可能チャンネル構成: 1ch
- 出力LCフィルタ後段からのフィードバック・ループ・コンセプト
- 保護機能: 短絡/温度/電圧/クリップ/自己診断(起動時/Play時)/電流モニタリング
- 参考出力値: 1x20W@14.4V, 4Ω, THD 1%
- 小型パッケージ: PowerSSO36 (slug up/down) 7.5x10mm, QFN48 7x7mm
革新的なフィードバック・ループ・コンセプト
FDA903はSTの革新的な出力LCフィルタの後段からのフィードバック・ループ・コンセプトを採用しています。下図はフィードバック回路のイメージ図です。このコンセプトにより、音質向上・品質改善・BOMコスト削減等を実現します。
- 放射エミッションの低減に寄与し、低コストなLCフィルタの使用が可能
- 負荷に依存しないフラットな周波数特性を実現 (Frequency Response図)
- 低歪率を実現 (THD vs Output Power図)

リアルタイム電流モニタリング
左図に示すように、FDA903は電流モニタリング機能を搭載しています。
電流モニタリング機能はリアルタイムで行われ、スピーカー状態を随時監視します。
検出されたスピーカー電流フローはデバイス内で数値化され、 I2C, I2SもしくはTDMと複数の信号ライン経由で取得可能です。
電流データ活用例
- ボイスコイルの過度な発熱を防ぎ、スピーカーの損傷を回避する
- スピーカーの最大許容出力(電流)を上回らないように監視し、スピーカー劣化を抑える
FDA903アプリケーション例
アプリケーション例
- 車両接近通報装置 (AVAS)
- 疑似エンジン音
- E-callシステム
- コックピット警告音
FDA90xファミリ
AEK-AUD-CID9031デモボード
FDA903Dを搭載したコンパクトなAVAS・疑似エンジン音のデモボードを提供しています。
AEK-AUD-C1D9031には、2つのFDA903Dが内蔵されており、2chモードまたは2つの個別のオーディオ・チャネルとして 利用可能です。
小型であるため、車体のサイズを問わず自動車全体で警告音が確実に聞こえるように、複数のモジュールを配置することができます。
モジュールはボードに内蔵された車載用32bitマイコン SPC582B60E1、またはCANインタフェースで制御可能です。また、PC582B60E1のFW設定を変更することでスタンド・アローン動作にも対応します。
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