5G時代の幕開け FPGAは主要プレーヤーになるか?

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5G時代の幕開け FPGAは主要プレーヤーになるか?

5Gに覆われた地球のイメージ写真

“5G”は、エレクトロニクス業界全てが参画を待ちわびる“大規模なパーティー”とも言えます。「5Gが世界を変える」という壮大なビジョンを取り入れて、誰もが時流に飛び乗り、急速な成長や新たな取り組みを始めるチャンスにしたいと考えています。

半導体業界では、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)が5Gをサポートする主要なコンピューティングアーキテクチャになるという兆候があります。一部の業界の先見者は、「5Gの台頭により、FPGAが君臨する」とさえ主張しています。彼らは、FPGAが5G信号処理を支配すると信じています。

では、このアイデアは実際どこから生まれて来たのでしょうか?

 

5Gの3つの課題

これまで、5Gはモバイル通信の分野において“人間の技術業績”の頂点という事ができます。しかし、パフォーマンスと機能に於ける多くのブレークスルーは、逆に多くの課題をもたらしたとも言えます。主に3つあります。

  • 無線リソース管理の複雑さの増大
    狭いスペクトルリソースで高速要件を満たすために、5GはMassive MIMOを使用します。 これは、同時により高度なビーム形成アルゴリズムを必要とし、無線リソース管理の複雑さが増す結果となります。
  • フロントホールBWを管理する方法の問題
    4G Common Public Radio Interface(CPRI)プロトコルに基づいて、5GはXRAN、eCPRI、およびETHプロトコルを導入しました。マルチプロトコルサポートと統合アクセスを実現するには、十分な帯域幅が必要であり、設計リソースは進化し続ける5Gプロトコルをサポートする必要があります。
  • 第3に、データ転送速度の向上によるリアルタイム処理へのプレッシャーの増大
    5Gでは、データ転送速度は4Gの10倍です。このような膨大な量のデータには、はるかに大きな処理能力が必要になります。


これらの課題を考慮し、5G信号処理およびコンピューティングプラットフォームの要件に変換する場合、次の結論を出すことができます。

  • 5Gシステムはより複雑で、より強力なコンピューティングリソースが必要です。
  • ボリューム、電力消費そしてコスト制約にも対処する必要があります。
  • 最新プロトコルの開発と繰り返される演算アルゴリズム設計には、再構成可能という柔軟性が不可欠です。
  • さまざまなシナリオに応じ、よりスマート方法でのSelf-adjustmentが処理効率の向上に不可欠です。

これらの要件を合せると、FPGAが最も要件に即した技術であると言えます。 さらに5Gの要件に合わせて調整し、最終的にはよりターゲットを絞ったプラットフォームベースの製品として再定義でする場合、FPGAは5G信号処理の王座に昇格できる可能性があります。 

 

RFSoCプラットフォーム

実際、FPGAベンダーは“課題”と“機会”の両方を長い間認識しており、事前にそれらに取り組み、その功績を活用し始めています。2017年にザイリンクスが発表したRFSoCは、5Gテクノロジーを早期に採用したサクセスストーリーの好例です。
(アヴネットの新しいRFSoC開発キットの情報は“こちら”を参照下さい)

その名前が示すように、RFSoCは純粋にプログラム可能なロジックデバイスではなく、複数の機能モジュールを統合するヘテロジニアスなアーキテクチャプラットフォームです。簡単に言えば、Zynq FPGA SoCは、ザイリンクスがリリースしたARM + FPGA 用のヘテロジニアス アーキテクチャプラットフォームです。さらに、RFSoCはZynqに基づき、高性能ADCおよびDAC、さらに5G専用のコンピューティングプラットフォームを構成する専用機能回路モジュールを統合しています。

 
図1.ザイリンクスRFSoCプラットフォームロードマップ(出典:ザイリンクス)


この新しいアーキテクチャの最も直接的な利点は、消費電力とサイズの面でのシステムの最適化です。ザイリンクスによれば、ディスクリートデータコンバーター(ADCおよびDAC)を統合された直接RFサンプリングテクノロジーに置き換えることにより、RFSoCは消費電力とパッケージサイズを50〜75%削減できます。したがって、高帯域幅で小型の5Gソリューションを簡単に探索できます。同時に、この完全にプログラム可能なプラットフォームの明らかな柔軟性は、5G展開の初期に浸透した市場の不安を和らげます。

5Gの商業化の加速により、RFSoCはわずか2年で3世代の製品を迅速にリリースしました。すべてが計画どおりに進んだ場合、第3世代のRFSoCは2019年後半に利用可能になります。8または16の10GS / S DAC、および8個の5GS / Sまたは16 個の2.5GS / S ADCをサポートします。これにより、6 GHz帯域以下での直接RFサンプリングが完全に可能になり、消費電力がさらに20%削減されます。

 
図2.第3世代RFSoCプラットフォームシステムのブロック図(出典:ザイリンクス

 

AIの紹介

とはいえ、将来の5G技術要件を考慮すると、現在のRFSoCはまだ完全ではありません。ザイリンクスの戦略の下で、次世代RFSoCの開発はすでに始まっています。第4世代RFSoCのコアターゲットの1つは、機械学習などの推論技術を無線に追加すること、および人工知能(AI)技術を導入することです。これにより、ネットワークとユーザーの状況に基づいた最適な判断が可能になり、最適な応答が得られるため、信号処理リソースの効率が最大化されます。

たとえば、Massive MIMOのビーム形成アルゴリズムをより効率的にするために、機械学習アルゴリズムを使用して、ユーザーの動作に応じてビーム形成技術を最適化できます。ユーザーが特定のエリアのネットワークに参加する時期を予測し、その後それぞれにビームを事前に割り当てることにより、より正確なビーム配信を実現します。

ただし、既存のコンピューティングプラットフォームではこの概念を実現できません。しかし、ザイリンクスの新しい適応型コンピューティングアクセラレーションプラットフォーム(ACAP)アーキテクチャなら可能です。ACAPは、最新の7nm半導体テクノロジーに基づき、スカラーエンジン(CPU)、セルフチューニングエンジン(FPGA)、スマートエンジン(ベクタープロセッサ)などの複数のコンピューティングアーキテクチャを統合した、マルチコアのヘテロジニアスアーキテクチャのコンピューティングプラットフォームです。さまざまなワークロード要件に従って、ハードウェアの柔軟な構成を実現します。

 
図3. Versal ACAP機能のブロック図(出典:ザイリンクス)


Versal AI RFと呼ばれる新世代のRFSoCは、この種類のプラットフォームでサポートされます。ザイリンクスの計算によると、AIのコアエンジンは無線アルゴリズムとAIアルゴリズムを組み合わせることができます。既存の16nmベースのプラットフォームと比較して、この新しいソリューションは速度パフォーマンスを5倍に向上できます。 この非常に強力な5G信号処理性能のサポートにより、開発者の信頼が更に高まることを期待しています。

従来、通信業界はFPGAの主流アプリケーション主力市場でした。 5Gの登場により、FPGAは間違いなく新しい開発の波の到来を告げることになります。

しかし、疑問が残ります。5Gの台頭でFPGAが最高位に君臨するのでしょうか。

市場機会だけでなく、設計者(人)の活躍が、この文の最後の“疑問符”を“感嘆符”に置き換えることができるかどうかを決定します。5GパーティーへのVIPチケットを獲得したい人にとって、“市場の洞察”、“たゆまない技術の蓄積”、および“製品設計への工夫”はすべて必須の要件です。これまでのところ、ザイリンクスのRFSoCはすべての要求項目にチェックマークを付けました。 これは無視できませんね!

5Gパーティーでお会いしましょう! 

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