PIRセンサーと超音波センサー:違いと機能

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PIRセンサーと超音波センサー:違いと機能

オフィスビルディング

私たちの環境と社会は、ネット接続が急速に進みつつあり、その結果、よりスマートになっています。この接続技術は、私たちの生活様式と働き方を変化および改革させ、私たちの家庭と職場の生産性と効率性を向上させています。

この革命の中心にあるのがIoT(モノのインターネット)であり、既に数十万個のデバイスを接続したネットワークに成長し、新しいデバイスとアプリケーションが絶えず生まれる中で衰える兆しがありません。

このスマート接続技術の用途は、多種多様であり、かつ増加しています。最も定着した一般的な用途がビルエネルギー管理(BEM)と防犯です。エネルギーコストが上昇し、今日のほぼあらゆる議論で環境への配慮が重視される中、適切なエネルギー利用は、トピックとして重要性を増しています。

ほとんどのスマート・ビル・システムは、エネルギーを効率的に利用する機能とともに高度な自動化を実現し、ビルの居住者へ利便性を提供しています。しかし、これらシステムを真に役立てるには、人の存在(または不在)を検知する機能が必要です。この機能があれば、自動的な 「オンデマンド」エネルギー管理が可能となり、人の存在に合わせて照明を点灯したり環境を制御できます。

人の存在を検知する主な技術として、パイロエレクトリック/受動型赤外線(PIR)と超音波の2つがあります。この2つは、機能的に大きく異なり、用途によって利点が異なります。

絶対零度を上回る温度のすべての物体は、放射の形で熱エネルギーを放ちます。これは、ウィーンの変位則として知られています。PIRセンサーは、赤外線(IR)放射の変化を検知することで、人または他の温かい動く物体を検知します。


主なセンサー素子としてPIRを使用したIoT接続人感センサーのブロック図

 

通常、PIRセンサーには2つのスロットがあり、各スロットがIR放射を検知できます。温かい物体(人)が1つのセンサーの前を通過すると正パルスを生成し、もう1つのセンサーの前を通過すると負パルスを生成します。これは何かが動いていることを意味し、一対のオペアンプを用いた比較的簡単なアナログエレクトロニクスを使用して温かい動く人体の存在を示す信号が発生されます。人体から発せられるIRエネルギーは、約10µmであり、それに波長を制限するために、一般的にセンサーの前に光学IRフィルタが装着されます。

PIR センサーが検知できる面積は、室内の設置場所および一般的にセンサー素子に装着されるレンズで決まります。多くの場合、これはフレネルレンズ(通常は半透明のプラスチック製)であり、幅広いエリアからのIR放射をセンサーへ集約します。PIRセンサーの詳細および新たな用途への適用方法に関しては、本技術者のインサイト記事をご覧ください。

もう1つの方法は、超音波トランスデューサーを使用してビル内の人を検知する方法です。この方法は、人が聞き取れない高い周波数の音波(通常、30kHz~10MHz)が使用されます。トランスデューサーは、トランスミッター1個とレシーバー1個の一対のデバイスで構成されています。音声パルスは、特定の周波数で発せられ、進路にある物体に当たって跳ね返り、その反射がレシーバーにより捕捉されます。何もない部屋では、反対側の壁から反射され、反射の捕捉にかかる時間は、トランスデューサーと壁との距離に比例します。人が部屋に入ると、パルスは人から反射し、人は壁より近いため、反射の捕捉にかかる時間は短くなります。


超音波センサーは、部屋レベルでの検知および個々のロボット機器に使用できます。

 

この種のシステムは、ToF(Time of Flight)システムとして知られています。というのは、音波は、空気など特定の媒体では一定の速度で伝わるからです。つまり、物体の距離は、音声パルスの捕捉にかかる時間を知ることで検知できます。

PIRと超音波検知は、主に人の存在を検知するために、スタンドアロン・システムおよび「ネット接続された」(IoT)システムで使用されますが、他の用途もあります。

照明制御は、多くのBEMシステムの重要な要素の1つであり、人の存在を検知して、必要な場合にのみ照明を点灯するように制御します。PIRセンサーは、この目的で使用できますが、人が動いている必要があります。逆に、超音波センサーは、何もない部屋をスキャンしておけば、1人または複数の人が存在している場合に検知できます。この情報は、より精巧なBEMの一部として暖房、換気、および空調(HVAC)システムを制御および自動化するために使用し、それによりエネルギーを節約し、環境への影響を最小限に抑えることができます。

PIRセンサーは、家庭用および商業用の防犯または侵入検知システムにおいて、ごく一般的に使用されています。センサーは、潜在的な侵入口(ドアまたは窓)から離れた場所に設置されるため、侵入者がセンサーの場所へ行き着いて不正な操作を行う前に検知できます。

ネット接続ロボットは、家庭用および商業用に普及しつつあります。家庭では、簡単なロボットが無人掃除機として部屋を掃除することができ、同様の技術は、芝刈りロボットでも次第に使用されつつあります。ロボットの進路を妨げる物体は、1つの問題であり、このような障害物を検知して進路を変えるために一般的に超音波トランスデューサーが使用されています。

ロボットは、大規模な工場や倉庫などの工業用として物品の場所を移動させるために使用されています。これら無人搬送車(AGV)は、障害物のない決まった進路を進むことを想定していますが、ほとんどすべてのAGVは、他のAGVまたは誤って進路に放置された物体を検知するために、超音波トランスデューサーを使用しています。

この非接触距離検知技術の用途は、多種多様です。たとえば、液体の水位を測定するためにタンクに超音波センサーを組み込むことは一般的に行われています。これは、加工業界の大型の薬品タンクと同様、家庭用の暖房オイルタンクにも同じように適用できます。IoTで接続された世界では、水位情報を使用して自動補充システムを作動させることもできます。

 

 

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