希望、不安、そしてひらめき

2012 年、カート・ワークマン(Kurt Workman)はビリガムヤング大学(Brigham Young University、以下BYU)で化学工学を専攻する学生でした。 叔母が双子を出産したばかりだったため、ワークマン氏は妻と 2 人でできる限り手助けをしていましたが、 叔母がいつも心配で気を揉んでいるのを目の当たりにしていました。 2 人は近いうちに子どもを持ちたいと考えていましたが、妻に先天性の心臓欠陥があったため、同様の困難に直面することや、眠れぬ夜が続くことは容易に想像できました。 また、ワークマン氏には SIDS(乳幼児突然死症候群)で子どもを亡くしたいとこもいました。

同じ頃、ワークマン氏はユタ大学メディカルセンター(University of Utah Medical Center)の看護師をしていた友人を通じて、「パルスオキシメトリ」と呼ばれる臨床試験済みで病院で使用されているテクノロジーに出会います。 パルスオキシメータは、光の波長を使用して心拍数と血液中の酸素レベルの両方を測定するクリップオン型のデバイスで、大抵の場合、患者の指に装着されます。

このテクノロジーからひらめきを得たワークマン氏は、Owlet 社を創設し、画期的な製品 Smart Sock を開発しました。この「スマートな靴下」は、新生児が自宅で着用するヘルスモニターで、心拍数や酸素レベルが設定範囲から外れると親に知らせるように設計されています。これで親の不安を和らげることができます。 また、BYU で電気工学を専攻する学生で、当時子どもが生まれたばかりだったザック・ボムスタ(Zack Bomsta)と偶然会ったことで、新進の起業家である彼らが進むべき道が決定付けられました。

ワークマン氏とボムスタ氏は他の共同創設者と共に、自分たちのアイディアを発展させ、年間最優秀学生イノベーター(Student Innovator of the Year)など、BYU で開催された複数のコンテストに参加し優勝を果たしています。 知名度が高まるにつれて、メディア取材が増え、人々の関心も集まりました。アヴネットのアカウントマネージャーであるダイアン・サジェット(Dianne Suggett)もその1人でした。 これは、アヴネットが彼らとアイディアの製品化をどのようにどのように導いたかのお話です。

「製品開発プロセスは、暗い部屋の中を懐中電灯の薄明かりだけを頼りに、つまづいたりしながら正しい道を探しているようなものです。経験と知識、そして業界専門家を提供してくれるアヴネットと手を組んだことで、暗い部屋は明るい光で照らされ、進むべき道が指し示されました。」 Owlet 共同設立者/最高技術責任者、ザック・ボムスタ氏

ケーススタディー

Ubicquia

Ubicquia の Kairo が世界中の都市をスマートシティに変身させています。

一夜にして現れる課題

Owlet の Smart Sock は、2015 年 10 月に Owlet のウェブサイトで最初に販売されました。現在では Buy Buy Baby の店舗でも購入可能で、今年の後半には他の大型小売店や他の国にも進出予定です。 また、論文審査のある医学誌『Global Pediatric Health』で発表された長期的観察の結果では、不安を軽減させ、睡眠の質を改善することが示されています。アイディアから量産までの 3 年間は、血と汗と涙の日々、そして皮肉なことに眠れない夜の連続でした。

アヴネットのフィールドアプリケーションエンジニア(FAE)であるトレント・フォスター(Trent Foster)は製品設計の初期段階にOwletと共同で作業をしていました。

「彼らのオフィススペースは中華レストランの上にありました。 屋上でミーティングをしていると 料理の匂いが漂ってきました。屋上は傾いていて、今にも崩れ落ちそうでした。 私たちは何時間も傾いたプラスチック製のピクニックテーブルを挟んで座り、メモ帳に回路を描いていました。」

Owlet の共同設立者であるボムスタ氏は現在、CTO(最高技術責任者)を務めています。ボムスタ氏もその頃のことをよく覚えています。

「Smart Sock を市場に投入するのは無理だ、という人はいくらでもいました。 しかし幸いなことに、私たちは世間知らずで無邪気だったので、そうした意見は無視しました。 当時は、自分たちがやろうとしていた設計がどれだけ大変なものなのかを完全には理解していなかったのだと思います。 それ自体が難しいことである IoT デバイスの作成に挑戦していただけでなく、臨床的に証明されたテクノロジーを使用してデバイスを作成しようとしていました。 さらに、赤ちゃんの足から外れないウェアラブルデバイスでなければならず、最初の年は大きさが 4 倍でした。」

「開発中は、一晩経つと新たな課題が出現しているように感じました。 そうした課題をクリエイティブな方法で克服しなければならず、アヴネットはその支援のために初期段階から開発に参加してくれています。」

ソリューション固有の課題と. アヴネットによるリスク軽減.

そうした課題の1つが発生したのは、開発の開始から約1年後のことでした。 Owlet チームは、赤ちゃんの足のセンサーモジュールが Bluetooth を介してスマートフォンにデータを直接送信できると考えていました。 しかし、テストを進めていくと、範囲の制約と通信の信頼性の問題が明らかになりました。 初期の資金提供者に約束していた納期が近づく中、センサーとスマートフォンの両方と通信する専用の基地局が必要であることに気付きました。 その気付きが、その後の開発に大きな影響を与えることになります。

「それまでは、スマートフォンとスマートデバイスに搭載されている機能を活用する計画でしたが、そうした利便性に頼ることができなくなりました。 私たちは大至急、Wi-Fi 接続された基地局を稼働させる方法を考え出さなくてはならなくなりました。 当時はさまざまな感情が押し寄せ、ストレスもありましたが、アヴネットの支援が本当に私たちの力になった時期でもあります」とボムスタ氏は振り返ります。

チームが必死になって最適な Wi-Fi チップセットを特定しようとしていたため、アヴネットは Owlet がまさに必要としていたモジュールを開発していた別のスタートアップ企業を紹介しました。

「当時、在庫を購入する余裕が無かったのですが、アヴネットの努力によってチップセット開発者や製造委託先とのロジスティクスを調整することができたため、必要な部品が無事納品されました。 アヴネットはすべてをまとめる接着剤の役割を果たしていました」とボムスタ氏は述べています。

現在 Owlet の CEO を務めるワークマン氏は、アヴネットの重要な役割はある種の「シェルパ」であると総括しています。

「私たちが登ろうとしているのは巨大な山であることに気付いたアヴネットは、 『Owlet がその山を登るために何が必要なのかを考え、山頂まで導きます』と言ってくれました」とワークマン氏は振り返ります。

Owlet 担当のアヴネットFAEであるフォスターは、次のように述べています。「Owlet が目指したのは世界に貢献することでした。 彼らがその目標を達成するのを見ることは、私だけでなくアヴネットの全社員にとって最も報われる瞬間です。」 ボムスタ氏は次のようにも述べています。「あるメンターから、『始める前からどれだけの困難が待ち受けているのかが分かっていたら、人は何も始めないだろう』と言われたことがあります。 その通りだと思います。 しかし、今回は素晴らしい経験ばかりだったうえに、世の中に良い変化をもたらすことができ、やった甲斐がありました。」

アヴネットと Owlet を最初に引き合わせたアカウントマネージャーのサジェットは、ベビーシャワーに招待されると必ず Smart Sock をプレゼントすることにしています。 サジェットは次のように述べています。「私を含めアヴネットの誰もが、 Owlet の成功の一翼を担えたことを喜んでいます。」

アヴネットのサービスとソリューションは、製品/ソリューションの設計からサプライチェーンサービスまで、製品ライフサイクル全体をカバーしています。 アヴネットがお客様の夢の実現、Reach Further™ を支援します。