48Vマイルド･ハイブリッド･システム
48V電力システムの利点は、ファン、ポンプ、電動パワー･ステアリング･ラック、コンプレッサへの給電時に、現在の12Vシステムに比べて4倍の電力を供給し、より高い効率を発揮できる点です。さらに高電圧にすれば効率は向上しますが、自動車の規制では、60Vを超えると高コストのシールド･ケーブル（ガルバニック絶縁）が必要になります。そこで、48Vシステムによりコストを抑制できます。マイルド･ハイブリッド車で使用される48Vシステムは、コスト効率に優れた排出量の少ない電動化への第一歩となります。
今回は、48Vマイルド･ハイブリッド･システムに使用されるSi MOSFET STripFETTM F7シリーズ、ガルバニック絶縁内蔵ゲートドライバSTGAP2、絶縁DCDCコンバータA6986Iをご紹介します。
車載グレード STripFET™ F7パワーMOSFET
STのオートモーティブ･グレードSTripFET™ F7低電圧パワーMOSFETは、優れたボディ･ダイオード性能と低いCrss/Ciss比を実現し、ミラー効果の影響を受けにくいため、EMI問題が軽減され、フィルタリング受動部品を簡素化できます。さらに、より低いオン抵抗により電力密度の向上が可能です。これらのAEC-Q101認定パワーMOSFETは、厳格な車載要件を満たし、DPAK、H2PAK-2、H2PAK-6、シングル/ダブル･アイランドおよびウェッタブル･フランクを備えた PowerFLAT™（5×6mm）の広範なパッケージ･オプションを選択できます。
※パッケージ
またSTは本ページで紹介しているF7の後継である F8シリーズの100Vの産業グレードの製品をリリースしました。このF8シリーズは高速スイッチングと低ON抵抗、低いノイズエミッションを両立された製品になります。車載グレードも順次リリース予定です。
ニュースリリース (STripFET™ F8パワーMOSFET)
STGAP2HD ガルバニック絶縁内蔵デュアルゲートドライバ
STGAP2HDは、各ゲート駆動チャネルと低電圧制御およびインターフェース回路との間にガルバニック絶縁を提供するデュアルゲートドライバです。4A駆動電流とレール･ツー･レール出力を有し、出力ピンが分離されているため、専用ゲート抵抗を使用したターンオンおよびターンオフを個別に最適化できます。
仕様概要
- 最大1200Vの高電圧レール
- 4A シンク/ ソース電流
- 高ノイズ耐性：±100V/ns
- 入出力間伝播遅延：75ns
- ゲート駆動設定を簡素化する個別のシンク/ソース
- オプション
- 4AミラーCLAMP
- UVLO機能、過熱保護、インターロック機能
- ゲート駆動電圧: 最大26V
- TTL / CMOS入力: 3.3V / 5V（ヒステリシス付き）
- スタンバイ機能
- 6kV ガルバニック絶縁
- SO-36パッケージ
評価ボード
EVALSTGAP2HDMは、STGAP2HD絶縁型デュアルゲートドライバを評価するために設計されたハーフブリッジ評価ボードです。このボードを使用すると、関連する外部コンポーネントの値を簡単に選択して変更できるため、さまざまな適用条件下でのドライバの性能評価と最終アプリケーション コンポーネントの微調整が容易になります。
IGBT、Si/SiC MOSFET用に向け、上記製品の他にも製品を取り揃えております。下記のリンクより、ラインナップを確認することができます。
A6986I 車載用38V、5W同期絶縁降圧コンバータ
A6986Iは、絶縁型バック･トポロジ用に特化して設計された車載用絶縁降圧コンバータです。100%のデューティ･サイクルに対応した広範な入力電圧範囲により、車載システムのコールド･クランクおよびロード･ダンプの仕様を満たしています。1次出力電圧は、フィードバック制御により正確な調整が可能です。絶縁型の2次出力は所定のトランス比を使用して得られるため、フォトカプラが不要です。1次側のシンク機能（ソフトスタート中も含む）は標準値で最大1.9Aを備えているため、2次側への適切なエネルギー伝達が可能になるとともに、2次出力のソフトスタートも追跡可能となります。制御ループはピーク電流モード･アーキテクチャに基づいており、強制PWMで動作します。300nsのブランキング時間で、トランスの漏れインダクタンスによって生じる発振をフィルタリングし、より堅牢なソリューションを実現しています。両方のパワー要素でパルス･バイ･パルスの電流検知を行うことで、1次側の効果的な定電流保護を実現します。1次側の逆電流制限により、2次出力は短絡イベントから保護されます。RSTオープン･コレクタ出力を介して1次出力電圧制御を通知する1次出力電圧スーパーバイザ、過電圧保護、調整可能なスイッチング周波数、同期、およびプログラム可能なソフトスタートも利用できます。
仕様概要
- AEC-Q100グレード1認定
- 動作入力電圧: 4V～38V
- 1次出力電圧制御 / フォトカプラ不要
- 標準値1.9Aのシンク･ピーク1次電流容量
- 強制PWM動作におけるピーク電流モード･アーキテクチャ
- ブランキング時間： 300ns
- IQ-SHUTDOWN : 8μA
- fSWと同期を調整可能
- 1次出力電圧のモニタリング機能内蔵
- 調整可能なソフトスタート時間
- 内部1次電流制限
- RDS(on) HS = 180mΩ / RDS(on) LS = 150mΩ
- 過電圧保護、サーマルシャットダウン
- HSSOP16パッケージ
評価ボード
EVALSTGAP1BSボードは、絶縁電圧 (約5V、簡単に調整可能) を生成します。これは、単一の絶縁電源を必要とするアプリケーションに特に適しています。
STマイクロエレクトロニクスのサスティナブル製品・技術
サスティナブル製品
STは、責任あるアプリケーションを実現する製品の開発者であり、製造者です。より安全で環境に優しく、スマートな暮らしの実現に貢献します。 持続可能性は、1990年代初め以降、STの指針となっています。現在、持続可能性はSTの事業活動のいたるところに組み込まれています。環境･社会的課題に対して革新的なソリューションを提供する分野において、STが機会を最大限に活かす上で貢献しています。
サスティナブル技術
STの持続可能なテクノロジー･プログラムは、2011年に始まりました。このプログラムは、グローバルなアプローチを通じ、STが新製品やテクノロジーを開発する際に持続可能性を考慮するだけでなく、ST、お客様、そして社会全体に対する価値を創出する取り組みです。
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