スマートシティの10年:何が変わり、何が変わらなかったのか...

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都市の写真の上にクラウドなどのアイコン

MarketsandMarketsが発行した最新のグローバル・スマートシティ開発レポートでは、世界のスマートシティ市場規模は、2018年の3,080億USドルから2023年に7,172憶USドルまで成長すると予想されています。年平均成長率は18.4%です。発行以来、スマートシティのトレンドに関する包括的な分析のため、このレポートは広く引用されています。

スマートシティの概念は、おそらく、IBMが「スマートプラネット:リーダーシップの次の課題」という題名のテーマ・レポートを発行した2008年までさかのぼれるでしょう。「スマートシティ」の考えと、次世代情報技術の利用が都市生活に及ぼす革新的な影響について紹介しています。この概念の公表は池に石を投げ入れるのと同様で、たちどころに波紋を広げました。その後2、3年にわたり、波紋は静まらないだけでなく、ハイテク開発の大波を起こす強い波へと強まりました。

今日、スマートシティ開発の歴史を振り返ってみると、スマートシティの解釈に絶えず変化があったことに気づくでしょう。この継続する変化を起こしている主な要素の一つは、私たちが住むテクノロジー環境の変遷です。

例えば、IBMが初めて「スマートシティ」の概念を紹介したときは、クラウドコンピューティングは芽を出したばかり、IoT(モノのインターネット)は新しい用語・概念で、人工知能(AI)は研究室の外に出てさえいませんでした。現在までには、これらの3つのテクノロジーは、スマートシティを構築するための要石になっており、未来の都市の形態・機能に関する人々の理解のし方を変えています。

はじめに人工知能について見てみましょう。わずかこの2~3年に急成長しましたが、スマートシティを含むあらゆる分野で、すでに最も熱い流行のトピックになっています。人工知能の中核的な価値は、機械が自ら学習する能力を与えられたことです。それらは特定のプログラムに従う必要がなく、データに基づいて正しい判断をし、行動を起こします。この種の「インテリジェンス」が都市風景のあらゆる場所のデバイスに浸透したとき、いわゆるスマートシティはまったく新しい世界に突入します。

例として、スマートシティ構築の主要機能の一つである、安全監視を取り上げます。人工知能を使用することで、監視カメラは、単純な記録とデータ保管に加え、識別、分析、予測機能さえ取り込めるようになります。カメラは、はっきりと明確に「見る」だけでなく、今や何を見ているか「分かる」ようになっています。例えば、深センの警察当局は、交通違反者を正確に特定するため、顔認識技術を配備しました。将来は、類似の用途がさらにいっそう増えるでしょう。

次に、クラウドコンピューティングについて見てみます。それは、スマートシティの開発と一緒に進歩していると言えるかもしれません。クラウドコンピューティングは散逸したコンピューターリソースを集め、統合された柔軟な割り当てを実現するため、コスト上の優位点は明白です。ITシステムを構築するための、現時点で最良の選択肢になっています。あらゆるスマートシティのプロジェクトは、完全なバックエンド機能を提供する、強固なクラウドコンピューティングのプラットフォームを持つことになるでしょう。

しかし、今日、従来のクラウドコンピューティングの開発は、革命的な岐路を迎えています。統合コンピューティングは伝送帯域幅、即時性、安全性や電力消費といったさまざまな課題に直面しており、「統合クラウドコンピューティング+分散エッジコンピューティング」という新しいコンピューティング構成の誕生を必要としています。ますます多くの組込人工知能(推論機能)がネットワーク・エッジ・デバイスに取り込まれるようになり、大量のエッジデバイスを「インテリジェント」にするでしょう。この段階になると、スマートシティで「オムニ・インテリジェンス」を経験することが実現します。

最後に、モノのインターネットを見てみましょう。IoTの最重要の機能は、クラウドとネットワーク・エッジ・デバイスの間に効率的かつ信頼できる無線接続の構築を可能にすることで、データ伝送と通信を保証します。スマートシティ開発の当初は、選択できる無線技術が少ししかなく、多くは厳密な意味ではまだローカルネットワーク技術であり、都市の範囲を網羅するのは明らかに無理でした。

近年、省電力広域ネットワーク(LPWAN)テクノロジーの出現によって、数キロメートルもしくはそれ以上の無線接続が可能になりました。近い将来、5G接続がさらに、スマートシティに様々な無線接続機能をもたらすでしょう。拡張モバイルブロードバンド(eMBB)、高信頼・低遅延通信(URLLC)、大量・多地点通信(mMTC)が要求されたかに係わらず、5Gがそれらすべてへの回答になります。これにより、5G時代のスマートシティは、いっそうワクワクするものになります。


図1. アヴネットのNB-IoT Gen2ビギナーズキットで、IoTデバイス接続用に、設計者が簡単・便利にNB-IoTネットワークを活用し、高速データネットワークを開発するのを支援

 

テクノロジーの変化がスマートシティに関する人々の考えと理解にどう影響したかに関係なく、スマートシティ開発の潮流に関する全体的な考えのいくらかは、ここ数年変わっていません。

第一に、都市を合理的に説明することが共通の「難点」であり、時間の経過に従いより「難しく」なるばかりです。人類の文明の発展は、おおざっぱには都市化の歴史で表されることでしょう。データでは、2030年までに世界の都市に住む人口は51億人になり、中規模・大規模の都市が世界総人口の55%の住処になると示されています。都市は人々にさらなる発展機会と利便性を提供する一方、ますます深刻になる「都市の病気」が、都市住民の充実感を絶え間なく浸食します。都市をより高い精度と効率で管理するために、技術を通して都市を「合理的に説明する」ことが、まさにこのジレンマを解決するための究極のソリューションです。

その上、スマートシティが、経済成長の新しい推進力になりつつあります。鉄筋コンクリートの建築物に代表されるインフラ建設は成長が鈍化している中、スマートシティは疑いなく、興味をそそる投資の新分野になっています。これが、多くの国と地域がスマートシティを開発戦略計画に取り込んでいる理由です。IDCは世界のスマートシティ投資は2022年に1,580憶USドルに達すると予測さえしています。

このようにスマートシティ開発のこの10年を振り返ると、変わらないままでいるものは、スマートシティの基盤を共に作る、市場ベースと絶えず改良される技術環境です。しっかりと根付くこれらの基盤により、スマートシティの次の10年には、楽しみに待つ価値があります。

 

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